サイクルイベント by ギアステーション

2018年1月13日
深大寺蕎麦が食べたくて。

橋本店長の一時帰国に伴う番外編。今回は小田急線喜多見駅から、深大寺蕎麦を目指す旅です。(関口)

Gearstation恒例の新年会の翌日、足慣らしを兼ねて2018年走り染めをしてきました。小田急線喜多見駅に午前11時集合、二子玉川から野川公園まで多摩川の支流約11kmを走る野川サイクリングロードを北上です。

小田急喜多見電車基地の隣の「きたみふれあい広場」から野川サイクリングロードを走り始める時の写真を見る限り、穏やかに晴れ渡り、風もなく陽光眩しい真冬にして絶妙のコンディション、に見えますが、折から日本海側と近畿地方に大雪を降らせた強い寒気団の影響で、気温3度、体感温度は勿論氷点下。


野川を北上しての小一時間、しっかり体温が奪われ、ボディブロウのように効いてます。
人影疎らな野川のせせらぎに目を凝らすと、川面に佇む白鷺の目線の先に、体長1メートルは優にあろう丸々太った鯉がゴロゴロ。錦鯉なら良かったのに、残念ながら真っ黒。とはいえ鯉は鯉、どなたか平凡鯉の相場ご存知ありませんか。。。

寒さを堪え、京王線を抜け、国道20号も越えて暫く進むと、中央高速が見えてきます。寒波で野菜価格高騰の折、地元農家の野菜即売所は大賑わい。ちょっと覗いて見ました。

即売所を右手に入り調布の森を抜けると、天平5年(733年)満功上人が法相宗の寺院として開創した深大寺に到着です。深大寺の門前町と言えば、武蔵野の面影をとどめる参道に、映画のセット宜しく土産物屋や蕎麦屋が並ぶ小京都風のイメージがありますが、左手に『(ゲゲゲの)鬼太郎茶屋』が。どこか懐かしい駄菓子屋風の店内にところ狭しと並ぶのは、妖怪グッズたち。どうやら ゲゲゲの作者、水木しげる先生が、調布を愛し50年以上住んだ第二の故郷であるため、あやかって作られたようです。

さて有名寺社に蕎麦はつきもの。深大寺の門前には蕎麦屋が20軒以上軒を連ね、店並を競っています。ここ深大寺には、長野善光寺門前の「大丸」、戸隠神社の「うずら家」、比叡山坂本の「鶴喜そば」などに並び称される、深大寺「そばごちそう 門前」があります。

『深大寺そば』は、上野寛永寺の食通として知られた法親王が「其風味其他に異なり」と、ことのほか喜び全国の諸大名に広く吹聴。以来、深大寺そばを所望する諸家が、深大寺に使者を遣わし「献上そば」と称されるようになりました。三代将軍徳川家光が鷹狩りで深大寺に立ち寄った際、 深大寺そばを食し絶賛した、とも伝えられています。

深大寺は湧水の多い国分寺崖線の崖面にあり、崖線から湧き出す豊富な水の恵みが、そばの栽培、そば打ち、釜茹で、晒しに利用され、水車を利用してそばの製粉も行われてきました。

今回お邪魔した『そばごちそう 門前』は江戸ソバリエ協会の『江戸蕎麦めぐり』でもご推奨。その名の通り、深大寺の美しい茅葺屋根の山門前の、よしずばり天井の茶屋風のしっとりとした風情のあるお店で、店内から参拝客の晴れやかな笑顔と武蔵野の風情が楽しめます。

因みに松本清張の長編小説『波の塔(1960年)(若き検事と心に闇を秘めた人妻との禁断の恋。複雑に絡み合う人間模様を描いた異色サスペンス)』に深大寺のシーンがあり「深大寺そば」が登場。本作の一部は実際に当店で執筆されたそうです。

暖房の効いた奥座敷に通され、凍え萎えかけた心も、少し元気を取り戻します。今日は『小盛そばとカラッと揚げたかき揚げ丼』をいただきました。かき揚げは野菜たっぷり。ご飯は麦ご飯。素朴でいい感じです。次回は『手打ち粗挽そば』や『そばごちそう(要予約)』も食べてみたいですね。

腹こしらえの後は深大寺を参詣するつもりでしたが、日が傾き寒風に晒されることを恐れ、小田急線喜多見駅に向けて元来た道を一目散に帰ります。

帰りの写真も『こんな小春日和の穏やかな日は〜♫』なんですが、南国暮らしのGearstationのメンバーには?寒くて寒くて、どうにもこうにもなりません。

本日はGearstationイベント最短記録の16キロ、と距離も出ずトホホ、の結果に終わりました。 来週のリベンジを誓って、ではまた。